【2004.09.29・・・No.68 栗ご飯・・・】

  Sr-residenceももうすぐ完成だ。クライアントのSrさんから設計のご依頼あってからは、かれこれ2年近くになる。クライアントのSrさんご家族にとっては、もともとあったお屋敷?の150年振り建て替え本屋普請、一大イベントである。新しい Sr-residenceは旧いお庭を残して、その庭を囲い込むようにして設計したコートハウスである。長閑な田圃に点在する昔っからの集落の木々に見え隠れするよう、建物高さをほぼ平屋に押さえた外観、白い左官壁で塗り込まれた外壁は水平ラインを強調したデザインである。この現場が始まったのが昨年12月、それから延々と10ヶ月が経過して、せっせと通 った現場ももうすぐ終わりだ。現場が終わろうとしたときに一番嬉しく思えることは「施 主様の喜んでいただける姿が一番間近にみられる」こと、寂しく思えることは構想〜設計〜 現場までと育ててきた我が子を手放すような思い・・・ではある。

もうすぐ完成!のSr-residence
解体前のSrさんのお屋敷


 アーキスタジオちゃんこ、秋の定番は「栗ご飯」。栗ご飯は少量のお酒と塩だけで味付けしたのが一番だが、シメジと一緒に炊き合わせてもおいしい。左のメニューが「鯖味噌煮、里芋と烏賊の煮物」、右のメニューが「秋刀魚、稲庭うどん、豚汁」である。今年は秋刀魚も豊漁らしくお安く、油がのっていておいしい。季節を感じるメシ喰えば、幸せ気分になれるってもんだ。




【2004.09.19・・・No.67 スペアリブ赤ワイン煮込み・・・】

  最近の設計からご紹介。今年の夏に実施設計完了した「Hy-Office」。4年前に設計させていただいたHy-residence(後ろに見える黒っぽいアーチ型の屋根の家)、Hyさんの税理士事務所オフィスです。今回は白っぽい箱と磨りガラスのコンビネーションっていう最近のパターン。自家営業事務所ということもあって、木造在来工法で設計、思いっきりローコストでいく・・・?つもりです。でも設計でやっていることは8mのスパンを木造トラスで架構したりして、相変わらず「どうせ設計させていただくんならば・・・」とついつい設計屋の欲望?がでちゃったりしていますもんで・・・心配の種は尽きません。比較的交通 量多めの道路に面して、コンパクトながらも キラッと閃く建築になればなぁ、と思っております。


Hy-Office

 お次は、この九月後半戦から実施設計入っている「Kd-residence」。こちらも木造在来工法で設計やっています。お得意のミニマルスタイルのコートハウスです。クライアントさんは30代前半の若い家族です。相変わらず外観は素っ気なくシンプルに。道ゆく人からは住まう人のプライバシーが伺うことができないように配慮。内部空間は外壁で囲まれた中庭と一体になった明るい空間、開放的です。右下の画像をクリック→ムービーファイルの中央をクリック〜ドラッグしてみてください。室内空間が360度の3Dパノラマ画像でご覧になれます。

Kd-residence
interior


 久しぶりのスペアリブ料理。今日は「スペアリブの赤ワイン煮込み」と 「シメジのペペロチーノスパゲッティ」。スペアリブ料理っていうのは簡単で、作れば以外と?豪華に見えてしまう。スペアリブ料理も色々あるが・・・今回は赤ワイン煮込み。作るのはいたって簡単、まずは塩胡椒したスペアリブをガーリックオリーブオイル(潰したガーリックをオリーブオイルでじっくりと香り付け)で強火炒め→タマネギ微塵切りをアメ色になるまで弱火でじっくり炒める→炒めたスペアリブとタマネギ炒めを合わせて、水と赤ワインを1:1ぐらいでヒタヒタまでいれて煮込む→適当に乾燥ハーブ類(月桂樹、バジル、オレガノ等々)とコンソメキューブ を入れる(好みでホールトマトやトマトペーストを少量加えるとスパニッシュっぽくなる)→始めのうちは強めの中火で煮込んで灰汁取り→1時間半ぐらい?煮込む(煮込みすぎると肉の旨みが??になり、煮込みが短いと肉が固い)→途中肉をひっくり返しながら煮汁が1/4ぐらいになるまで煮詰め、塩故障、ナツメグ等で味を調えて完成!。どう?簡単でしょう?




【2004.09.06・・・No.66 Lunch(番外編)・・・】


今日は自分にとっての「建築デザイン」について書く。
  日頃から心掛けていることは「デザインするためにデザインしているんじゃあない」、訳のわからないこと言っている?ようだが・・・要するに「必然性のないデザイン」「わざとらしいデザイン」「目立とう、奇を衒ったデザイン」はしたくない、と思っている。だからクライアントさんから「あそこのお店にように、なんかこ〜うアールを使ってデザインしてみてょ・・・」ってこと言われると困惑する。「一見目先の変わったものやカタチ」をつくれば良いってモン じゃあない。その場所、その空間に必然性もなく、目立とう・驚かそうとしているデザインは幼稚に思えるし、何よりも日々の生活の中ですぐに飽きてしまう、と思う。
 建築デザインは「機能(=使い易さ)・強さ(=構造耐力)・美(=デザイン)」がそれぞれ十二分に満たされていて、初めて「良い建築」と呼ばれる。建築っていうのは特定の場所=敷地があって初めて成り立つ、でなきゃあ絵に描いた餅だ。そこんところが純粋芸術とは大きく異なっている。自分には芸術的素養があるとは思えないし、実際、デッサン・スケッチの類も下手で人にお見せできない。じゃあ、なにを根拠にして住宅のデザインを考えていくか?それは、ひたすら「生活し易さ=愉しい生活をデザインすること=生活するための器」を考える。敷地=その特定の場所に立ってみて「この場所だからこそこういうカタチだ」というものをひたすら考える。デザインの根幹をなす構造についても「木造だから、RC像だから・・・屋根がこうなんだ、間取りがこうなんだ」という発想はしたくない・・・その敷地だからこそ、こういう空間構成を実現したいからこそ、という構造的発想をしたいと常々思っている。
  建築デザインにしろプロダクツデザインにしろ、良いデザインって一体どういうことなんだろう?・・・それぞれの機能、例えば生活すること、電話すること、自転車のること等々、機能の原型がストレートにどれだけデザインに反映されているか? そういった部分を大切にしたデザインが、使い易くって良いデザインであると、私は思っている。建築は所詮「人が暮らすため器であり、生活の背景である」とも思う。その「器」がこれみよがしのデザインに溢れていてはすぐに飽きてしまう、愉しい生活が演出できないんじゃないか、と 思う。建築が完成した時点では控え目の「腹七分目」の空間でありたい、そこに人やら家具調度品が入ってきて丁度「腹十分目」住まう人の個性が演出できる、と思う。
  自分が個性的であるともまだ思えない。創ることに一生懸命になって、本人にはかえって気づかぬ 、どうしようもなく滲んでしまうようなものが「個性」であると思う。私も、そうなれるようひたすら修練の日々、ではある。
 ウチの事務所もスタッフを抱え、BOSSの私がいちいち自分の手で直接で設計や監理しなくても、スタッフに指示するだけで仕事としては成立できるかもしれない・・・。 でも、相変わらず細かい部分まで自分で押さえて仕事やらなきゃあ満足できない。今は、単純に建築デザインの仕事が好きだし、そのことが「創る」ことの根源的なパワーになっている。建築デザインっていうのは、技術力のたゆまない研磨が必要だし、と同時に創り手の人間性等々色んな面 が反映されてしまう。だから建築デザインが面白いと思えるし、この先20年経ってもスタッフに任せきれず、細かい部分まで自分で設計やっているいる、と思う。私には、見栄えの良いスケッチと口先の指示だけでは建築が創れないし、そういう手法で創ったとしてもて人々の共感は得られない、とも思っている。


 今日は、『Sz-residence』クライアントのSzさん宅に、宅内LANの設定にいってきた。Szさん達もご夫婦でMac信者である。同じ信心仲間としての「Mac駆けつけお助けサポート」である。私が1998年にパソコン始めたとき、友人のNao君始め、様々な先輩方に手取足取り、パソコン設定LAN設定のお助けいただいた。彼ら先輩・友人のサポートお陰様、かなり短期間でMacをマスターでき、仕事にもフル活用できるようになった。自分もMacのことなら、ひととおりウンチク語れるようになった。今度は、自分がお返しする番である・・・。 Szさん宅の宅内LAN設定の、思ったより早く終わり、昼食をゴチになった。自分が設計させていただいた空間でメシ食えるのも幸福なモンである。建物完成の頃は、ガラーンとした「腹七分目」の空間であったが、人やら家具やら、生活雑貨が入って丁度「腹十分目」の生活空間、住まう人の適度な生活感と建築空間がバランスよく収まっている感じ・・・おまけにサラウンドSPからはクラッシック音楽まで流れて・・・絵に書いたような、うらやましい限りのお宅でした、チャンチャン。


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