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2006年10月29日

● 実施設計・・・・

これまで度々ご紹介してきました、新規プロジェクト「歯科クリニック」の続続続続続編です。

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 CGは、只今実施中の最終案のもの。長閑な田園風景のなか、水平ラインを強調した直線的な建築デザインの景観設計です。ここを訪れた患者さんは、インテリア〜イクステリアが一体となった建築空間、つねに中庭の緑を眺めながら開放的な院内を移動します。院内は、患者さんとクリニックスタッフの動線が交わらないようなゾーニング計画になっています。そのおかげで、患者さんからは、医療・検査機器等目線に入らぬようなレイアウトになっています。

 以前から、ず〜っと思ってきたことですが・・・巷の医院建築の多くは、患者さんからの目線よりも管理側の目線・動線で平面計画されている場合が殆ど・・・だから、患者の立場で訪れるとなんだかとっても息苦しく閉塞的に感じるものが多いように思います。私のところは、医院建築ばかりやっているワケでもありませんが・・・毎度、医院建築を創らせていただける機会には、是非「患者さんからの目線」で設計された医院建築創りたいもの、と願ってきました。

 おかげさま、コンピュータのネットワーク技術も普及して、治療台廻りやレントゲン室と事務・受付方がネットワークで繋がっていれば、スタッフが頻繁に行き来する必要もなくなってきています。院内の電子化・ネットワーク化のおかげ、患者さんの動線とスタッフの動線を分離しやすくなったものです。


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 「歯科クリニック」実施設計の担当はmutu。実施設計戦争状態も半ば過ぎ、これからは構造設計やら設備・電気設計とのスリ合わせが続きます。毎度のことながら、実施設計というのは前半戦がシンドイものです。ウチの事務所の場合、BOSSの方針で「平面詳細図」や「矩計詳細図」は徹底的にDetail設計の詰めに時間が費やされます。ウチの事務所の図面は、もっぱら大判・A1サイズで描きます。平面詳細図や矩計詳細図を一枚描くのに二週間くらいかかる、のは常です。この段階で徹底的に時間を費やすもので、一ヶ月や二ヶ月はあっと言う間に過ぎてしまいます。
 「平面詳細図」や「矩計詳細図」を煮詰めながら、具体的な構造断面・基礎構造の形式や設備の配管ルート、各種法令関係のチェック、施工のだと妥当性、建設コストの妥当性・経済性価値観...等々、あらゆる角度から設計の検討を重ねます。描かれる図面はCAD画面上では、常に「1/1原寸図」の精度でDetalを描き込んでいきます。この期間は、実施設計担当者もピリピリムードです(BOSSのチェックで喧々諤々の揚げ句、ダメだし!)。ちなみに、BOSSがチーフで実施設計やる場合は、もっとピリピリしています、ハイ「^^;。
 でも、まぁ「平面詳細図」や「矩計詳細図」を煮詰めてしまえば、担当者とBOSSのアタマん中には建築が90%方完成しています。あとは、実際に工事がしやすいように、工事区分ごとに図面描き分けたり、施工図・製作図に近い「部分詳細図」おこしたり、構造設計図、設備設計図、法令関係図...だったり。これらの図面は、基本的に「平面詳細図」や「矩計詳細図」をCAD上で、コピー拡大・縮小して加工する作業が中心になってきますので、一日に何枚も描くことも可能です。

 そんなこんな、我々設計屋にとって、「基本計画・基本設計」の段階が「建築のソフトを思案」する過程ならば、「実施設計」の段階は、まさしく現実のモノを具体的に造っていく作業の世界。いくら素晴らしいアイデアやソフトができていても、経済的価値観が合致しなければハナシにならず、現実に造れてナンボの世界が「建築」です。いくら設計者が優れた建築を考えて、それをCGや図面 にどんなに美しく表現しても、実際に「建築」として完成できなければただの「絵に描いた餅」です。

 建築を施工するという行為には、現場での膨大な作業と重大な社会的責任とが伴います。設計者としては、自分の考えた建築が実際にできあがることには大変な喜びを感じますが、それも現場で施工してくださる工務店の方々の力なくしては、その喜びもありえない、っていうことです。



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コメント

chie さん
コメント有り難うございます。モノ創り人間に必要な素養とは・・・自己満足に浸れるか?ということ、それと同時に自己満足してしまう自分を冷静に分析できているか?ということ、と思っています。設計屋に限らず、優秀な大工・左官・造園...etc.の方々みていると、みなさんそんな素養を兼ね備えているようです。ですから、我々設計屋も、自己の意志の表現・伝達手段としての図面には精魂込めねばなりませぬ・・・と、思います。

はじめまして。
たまたまBOSSさんのブログを見つけ、時々見させて頂いています。
一応独立して一人ほそぼそと設計事務所をやっているのですが某ハウスメーカーの仕事と自社設計と半々の仕事をしています。
(自社だけではやってけないので)
でも、某ハウスメーカーの仕事の方が多いです。
私は図面を描くことが好きなのですが、ハウスメーカーの仕事では丁寧に図面を描けばかくほど、裏目に出てがっくりです。先日はハウスメーカーに所属する同じ立場の設計事務所から「こんなに丁寧に図面を描くと、うちも描けって言われるから困る。とにかく手を抜け!皆(同じ立場の設計事務所)で足並みを揃えないと!」と言われ、ホントに困っています。私は料金に見合わなくても、きれいで親切な図面を描きたい、と思っている方なのですが、なんだか悪人のような扱いを受けています。
でも、BOSSさんのブログを見ていると、「やっぱり図面って大切だよね!」とうれしくなります。
せめて自社の仕事だけでも図面を大事に、の精神を忘れないようにしたいと思います。
これからもブログ楽しみにしています。

leonaさん
まいど御愛読ありがとうございます。ハゲみになります。

お久しぶりです。BOSSさんの建築に対する考え方や思い、共感します(知識がなくて、共感というのは、畏れ多いですが)
陰ながらで応援しております!

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