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2006年03月08日

● 馬鹿げたハナシ・・・

 昨日の朝には、耐震の構造設計手法が二種類あって(「保有水平耐力計算」と「限界耐力計算法」)、片方ではセーフだが、もう片方ではアウト、っていう話。一般の方々には、さっぱり理解できず余計に不信感募るばかりだと思う。
 私ら、現役の設計屋からみれば1980年頃からの「保有水平耐力計算」はすでに馴染んでおり、これを当たり前のこととして構造設計者さんと会話する。そのために、ただ単に耐力壁増やせばヨイってもんじゃないことも分かっているし、意匠との絡みで四苦八苦で泣く泣く構造スリット切ったりする。意匠上、構造スリット切りたくない外壁、漏水の心配ある外壁なんかがあり、それらの課題を両立させるのに、どれだけ苦労するやら・・・。「保有水平耐力計算」の必要ある物件の場合(全ての建物が「保有水平耐力計算」の必要があるわけではありません)、やたらと鉄筋量が増えて構造設計さんに思わず愚痴ったりもする(愚痴ったって、ムリなものは無理、必要なものは必要、にきまっている)。

 「限界耐力計算法」というのは、新しい設計手法。私は構造設計の専門じゃないもので、詳しくはありませんが・・・・が、構造専門家の中でも色々議論があるようです((社)日本建築構造技術者協会の意見書、やradcliffeさんの「ブロ愚 〜おろか日記 blog style〜(左サイドにリンクあります)」の記事が参考になります)。それにしてもこの「限界耐力計算法」を用いた場合、現実的には危険であり得ない建物の変形量(現実的には内装が崩壊したりサッシが崩壊→ガラス落下したり)の設定でも、判定がOKとなるみたい。要するにこの設計手法ではより高度な設計技術(構造技術以外にも、施工技術の知識などなど)が必要とされるわけで・・・設計者の倫理観は当たり前のこととした上、こういいった構造設計手法を審査する側の法令や審査技官の乏しさがまだまだ整っていないのが問題だ、ということです。

 引き続き・・・大変馬鹿げたハナシなのが、札幌の建築士のハナシ。どうもこの方は「耐力壁さえあれば、耐震性能は問題ナシ、というのが信念」という発言されているようだ。新聞の記事読んだかぎりでは「上層階にいくほど鉄筋を多くしている物件など、常識では考えにくい設計もある」とか、どうもまともな「保有水平耐力計算」ができずに、つじつま合わせで数字の操作=偽造したりしているようだ。明らかに、技術者としての経験と知識が不足している。その程度の構造設計者であることを、何故元請けの意匠設計者が見抜けなかったのか、不可解ではある。またぞろ、ディベロッパーの経済性ばかり優先される単調なマンションづくり、極端に安い設計料(3%?4%?)の設計ばかりしていると、本来の設計者としてもつべき自覚(社会の共有物となる建築を創っているという自覚)に欠けてしまうのか?とも思えてしまう。
 私のこれまで出会ってきた構造設計者さんが、満足に「保有水平耐力計算」もできない、というのは考えられない。それと、マスコミ紙上では「札幌の建築士は二級建築士だから、できない」という論調だが・・・一級建築士であろうが二級建築士であろうが「ちゃんとした設計ができるか、どうか?」に資格の問題は関係ない。一級建築士もった人で「設計できない人」は一杯いるし、一級建築士もってない人で「ちゃんとした設計できる」人だって一杯いる。だいいち、一級建築士の資格試験に「構造計算」の実践的な問題なんぞでないし、問われない。
 馬鹿げたハナシばかりで、同じ設計屋として悲しくなってしまった今日この頃・・・でした。

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